どうも、お腹が少しぽっこりしてきた伊奈香澄です。記事やブログ、それに電子書籍の執筆が忙しく、ここ3か月くらいは運動していません……。そんなことをしていると、今年もまた自転車のシーズンオフが近づいてきました(笑)
あなたは「スクールカウンセラー」を知っていますか?
実は私も最近まで知りませんでした。伊奈香澄がまだスクールに通っていた時代には、そのような職業の方はいなかったと記憶しています。
スクールカウンセラー事業の目的を長野県の資料から引用します。
全ての児童生徒が安心して学校生活を送り、学習に取り組めるよう、児童生徒の不安や悩みを早期発見し、適切かつ迅速に対応できるスクールカウンセラー(公認心理士、臨床心理士)を配置し、各学校における教育相談体制の拡充を図る。
長野県スクールカウンセラー事業
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyoiku/shido/documents/r4sc.pdf
簡単にいうとスクールカウンセラーとは、児童生徒の生活上の悩みや相談事の解決を手助けしてくれる専門家といったところでしょうか。
しかし、スクールカウンセラーが相手にするのは児童生徒だけではありません。保護者や教員、場合によっては専門機関と連携を取りながら、児童生徒の問題に向き合っています。
今回お届けするのは久々の「信州人、本を読む」シリーズ。紹介するのは信州でスクールカウンセラーとして日々奮闘する著者が、「不登校であっても親子仲良くいてほしい」と願いをこめた一冊です。
『にっこり解決!親子仲よく不登校を乗り切るコツ』のあらすじ
この書籍の章構成は次のようになっています。
- はじめに
- 第1章 子どもが突然不登校になったら
- 第2章 子どもの心を知る
- 第3章 親の思考を変える
- 第4章 子どもが不登校になったらまずすること
- 第5章 登校・クラス復帰に向けた13ステップ
- 第6章 事例・登校復帰までのストーリー
- おわりに
第1章では不登校の定義を説明するとともに、突然訪れる不登校について書かれています。「不登校」という言葉には、実は定義があるのです。
第2章では不登校になった子どもの心を、そして第3章では不登校の子どもを持つ親の心構えについて書かれています。不登校は決してめずらしいことではありません。そのようなときでもお互いの心を落ち着かせることが大切です。
第4章では不登校になってしまったときにお家の中でできること、第5章では復帰に向けた13のステップについて書かれています。第4章以降は著者の経験がふんだんに盛り込まれている章。一つずつゆっくり実践していくことが大切なのです。
そして第6章では、第5章のステップに沿って実際に復帰できた事例について書かれています。著者の長年の努力と、児童生徒本人や保護者の努力のかたまりが詰まってる章。実際の復帰をイメージできると思います。
著者はスクールカウンセラーとして7年間、のべ3,500組以上の相談を受けてきたベテラン(2022年10月現在)。思いだけでなく、これまでの経験や実績を余すところなく書いています。
2歳の子の親として1番心に残った第3章
伊奈香澄がこの書籍で一番心に残ったのは第3章でした。
伊奈家には2歳の一人娘がいます。小学校どころかまだ保育園にも通っていない箱入り娘です。そもそも保育園に通っていないので不登校(不登園?)になることもありません。
(イヤイヤ期なので、あらゆることを全力で拒否しますが……、笑)
しかし、第3章には子をもつ親なら誰でも気になる一言が書いてあったのです。
「親の思考が関係した行動」が負のスパイラルにも正のスパイラルにもなるということ。
子どもが悩みや不安を持ったときそれを軽減、あるいは増長させるのは親次第なのです。(もちろん親にすべての責任はありません。)
伊奈家の話になり恐縮ですが、スーパーで2歳の香澄娘が「帰りたくない」と泣き出した時の話をしましょう。
香澄娘は絶賛イヤイヤ期。親からすれば「また始まった」と呆れることも多いのですが、香澄娘にはれっきとした「帰りたくない」理由があるのです。
アンパンマンのポップコーンが大好きな香澄娘。香澄妻と買い物に行ったときはよく買ってもらうそうですが、伊奈香澄が一緒のときは買わないことも。
しかし、香澄娘からすると「いつも買ってもらっているポップコーン」が欲しかったのです。
香澄妻には言いたいことを何でも言う香澄娘ですが、伊奈香澄には遠慮して言わないことも。その代わり「帰りたくない」と泣き出すのです。
ここで話しを聞かずに無理やり連れ帰ることもできますが、そうすると香澄娘の不満は増長されます。
しかし、ここでじっくり話しを聞いて、「ポップコーンが欲しい」という香澄娘の気持ちを聞いてあげれば、香澄娘の不満は軽減されるのです。
(このあと「今日は買わないよ」で納得してくれるパターンと、もう一度「ほしい」と泣き出すパターンがありますが)
このように子どものアクションに対して、親がどのようにリアクションを取るか?、あるいは親がどのような心構えでいるか?によってその先の展開、ひいては親子の関係が決まってしまうこともあるのです。
まずは子どもの気持ちを理解しようと思う心を、親である伊奈香澄が持とうと思います。
子どもの気持ちを「理解する」ではなく、そっと「寄り添う」ことにしよう
香澄娘はどちらかというと伊奈香澄に似ています。
目、鼻、口元、頑固な性格……。あきらかに伊奈香澄の娘だとわかるような子どもです(笑)。
もちろん少し気難しいところも似てしまいました。反対に香澄妻はおおらかな性格。
細かいことが気になって泣いてしまう香澄娘の気持ちが理解できるのは、伊奈香澄の方が多いような気がします。
するといつしか錯覚してしまうのです。自分は娘の気持ちがわかるのだと!
しかし、ちょっと待ってください。2歳とはいえ、またどれだけ似た親子とはいえ、香澄娘は伊奈香澄とは別の人格。同じ体験を同じ人間がしているわけではないので、香澄娘の気持ちを「本当に理解する」ことはできないのです。
伊奈香澄はつい、過去の自分の経験と照らし合わせて香澄娘の気持ちを推測し、「きっとこう思っている」と香澄娘の気持ちを理解したような気になることがあります。しかし、これは間違っているのです。
それではどのようにすればいいのでしょうか?
この書籍によると「子どもの気持ちに寄り添うこと」が大切なのだそうです。寄り添うとはありのままを受け入れること。自分の経験と照らし合わせる必要もなければ、理解する必要もないのです。
ただ、子どもの気持ちを聴いてそのまま受け入れること。これだけで子どもは「話を聞いてもらえている」と安心できるのです。
最後に
今回は『にっこり解決!親子仲よく不登校を乗り切るコツ』という書籍を紹介しました。
内容はタイトルの通り不登校をテーマとしていますが、その本質の部分を探ると誰にでも役に立つ「親子の関係」を良好に保つ方法、あるいは改善する方法が書かれていました。
これからもこの書籍の内容を忘れずに、子どもと一緒に歩んでいきたいと思います。
そして、将来何らかの理由で香澄娘が不登校になったときには、あらためてこの書籍のお世話になろうと思います。
ではまたのちほど。