虹色のチョーク

信州人、本を読む。

どうも、YouTubeで吉本新喜劇を見て久しぶりに大笑いした伊奈香澄です。

吉本新喜劇を関西ローカルのテレビだけで放送するのはもったいないので、是非全国ネットで放送してほしいです。

皆さんは最後にチョークを目にしたのはいつでしょうか?

学生や教員の方は目にする機会が多いかもしれません。伊奈香澄が最後にチョークを目にしたのは中学3年生の頃だったと思います。

神奈川県川崎市に『日本理化学工業』というチョークメーカーがあります。

チョークの国内シェアは約50%と業界の中では高いシェアを誇っています。

また、近年はチョークだけにとどまらず、キットパスというクレヨンのような筆記具も製造しています。

キットパスの写真はこちらです↓

窓ガラスに書いても濡れた布で拭けば消せます!

この製品は窓ガラスにも描くことが出来て、濡れた布で拭けば消すこともできます。

主原料は口紅などに使われるパラフィンなので、子どもにも安心して与えられます。

こんなに面白くて楽しそうな商品を作っているのはどんな人たちなのでしょうか?

前置きが長くなりましたが、今回は日本理化学工業とそこで働く方について書かれた本を紹介します。

日本理化学工業とは?

日本理化学工業は神奈川県川崎市にあるチョークメーカーです。学校で使用されるチョークや、先程紹介したキットパスを製造しています。

全社員92人のうち63人が知的障がいを持っています。(2022年12月現在)

日本理化学工業が知的障がい者の雇用を始めたのは1959年(昭和34年)のことです。

現在会長である大山泰弘氏が、近隣の養護学校からの要望を受けて始めたそうです。

しかし、最初から知的障がい者を受け入れようと思っていたわけではありませんでした。

最初は養護学校からの『卒業生を雇ってほしい』というお願いを断ります。しかし、何度断ってもやってくる養護学校の教員の熱意に負けて、しぶしぶ期間限定の職場実習性として2人受け入れることにしました。

その2人は実習期間中、それはもう熱心に働いたそうです。その熱意を感じた社員(当時は健常者のみ)が大山泰弘氏に嘆願して2人の正式採用が決まりました。

最初は2人のみの採用でしたが、少しずつ採用人数を増やしていき、現在の姿になりました。

知的障がい者の働き方。

皆さんは全社員92人中63人が知的障がい者だと聞くと、どのような工場を思い浮かべるでしょうか?

ほぼ全ての製造ラインが自動化されていて、製造ラインのオペレーションを健常者が行い、直接製造に関わらない補助的な作業を知的障がい者が行う……。

といったイメージを持った方も多いのではないでしょうか?

そのイメージは日本理化学工業には全く当てはまりません。

製造装置はもちろんありますが、それは人が操作しないといけない手動装置です。また、製造後の品質チェックは完全に人の目に頼っています。

こういった作業の大半を知的障がい者が行っています。

健常者のサポートはもちろんありますが、作業レベルそのものは知的障がい者の方が高いこともあるそうです。

日本理化学工業では知的障がい者が戦力となり、会社の経営を支えています。この点が他の会社と全く異なります。

人はなぜ働きたいと思うのか?

皆さんは『働く』と聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょうか?

会社員の方なら、毎日嫌な思いをして会社に行ってどんなことにも我慢をしてやっと給料をもらうイメージかもしれません。

ところが、日本理化学工業で働く方の考えはこうではないようです。

障がいの重さにもよりますが、知的障がい者の中には一生を自宅や施設で過ごして終わるという方もいるそうです。

しかし、知的障がい者がそれを望んでいるか?というのは、また別の話です。

社会に出て自立したい、社会に出て働きたい、働いて人の役に立ちたい…と思うのは障がいの有無に関わらず多くの人に共通することだと思います。

もう一度『働く』ということを考えてみる。

社会人になった頃のことを思い出してみて下さい。皆さんの心のどこかにこのような思いがあったのではないでしょうか?

しかし、それは時間と共に、あるいは嫌なこと苦しいことに覆われてしまって忘れてしまっているのではないでしょうか?

世の中に必要のない仕事はないと思います。必要のないことに給料を払う人はいませんよね?

皆さんが今日やった仕事は、いつかどこかで必ず誰かの役に立ちます。会社員の方はそれが少し分かりづらいかもしれませんが、必ず誰かの役に立ち誰かを幸せにしています。

『誰かの役に立ち、誰かを幸せにする。』

今は目の前のことに精一杯過ぎて、このようなことを思う余裕はないかもしれません。

しかし、この思いが心のどこかにあれば、働くことを喜びと感じることが出来るのではないでしょうか?

日本理化学工業で働く方はいつも心にこの思いがあるそうです。

働けることを喜びと感じられる。

だから会社の経営を支えられる戦力になれるのだと思います。

最後に。

いかがだったでしょうか。

毎日嫌な思いばかりして働いている方にとっては、初心を思い出すような内容だったと思います。

また、現在の仕事に喜びを感じている方にとっても、『働く』ということを改めて考える内容だったと思います。

この本には他にも、知的障がい者やその家族が必死に生きてきたエピソードや、日本理化学工業が知的障がい者を戦力として育てるまでの苦労も書かれています。

皆さんもこの本を読むと、自分の人生を輝かせるためのヒントが得られるかもしれません。

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ではまたのちほど。

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