トヨタ自動車。
日本人なら誰でも、いや日本人でなくても知っている人の多い自動車メーカーです。
HV車プリウス、燃料電池車MIRAI、BEV(バッテリーEV)bz4x。使い勝手やデザインだけでなく、環境性能にも気を配った数々の自動車がラインナップされています。
しかし、近年トヨタ自動車が作ろうとしているのは、自動車だけではありません。
人が安心して住める街を、ひいては持続可能な地球を作ろうとしていてるのです。
この記事ではトヨタ自動車の会長(2023年4月1日〜)である豊田章男さんにスポットを当てた書籍『豊田章男の覚悟 自動車産業グレート・リセットの先に』のあらすじと感想を紹介しています。
トヨタ自動車が好きな人、豊田章男さんが気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
書籍のあらすじ
はじめに書籍の目次を紹介します。
- 序章 道――あえて困難を選ぶ
- 第一章 EV――なぜ、今だったのか
- 第二章 「モリゾウ」――最終センサーの顔
- 第三章 革新――クルマを劇的に鍛える
- 第四章 ソフトウェア――ウーブン・シティをつくる
- 第五章 水素――脱炭素に挑む
- 終章 時間――50年後の評価でいい
目次を見るだけでも、これまで豊田章男さんが歩んできた道、そしてこれから作ろうとしている未来が垣間見える気がします。
第一章ではEVについて書かれています。2021年12月に開催された説明会まで開発の話を表に出さなかったトヨタ自動車が、EVをどのように考えているのか?その考えが分かる内容になっています。
第二章では「モリゾウ」の役割について書かれています。「モリゾウ」とは豊田章男さんがレーシングドライバーとして実際にサーキットを走るときのニックネーム。自ら仕事でハンドルを握るほどのクルマ好きである豊田章男さん。その思いはどのように車作りに生きているのでしょうか?
第三章では車作りの変革について書かれています。かつてはあまりカッコよくない、という印象もあったトヨタ自動車の商品。コストを押さえつつ、魅力的な自動車を作るにはどのような努力があったのでしょうか?
第四章ではウーブン・シティについて書かれています。ウーブン・シティとは、トヨタ自動車が静岡県で建設中の実験的な街。「実験的」とは言ってもインフラを整え、建物を建てて実際に人が住める街になるそうです。
第五章では水素の活用方法について書かれています。すでに水素を使った燃料電池車であるMIRAIを市販しているトヨタ自動車。この章では水素を使った内燃機関(エンジン)の可能性について書かれています。
トヨタ自動車のことを、巨大な自動車メーカーだと思っていたあなた。
この書籍を読むとトヨタ自動車がやろうしている事業が、すでに自動車メーカーの域を超えていると分かります。
それどころか、本来なら政府がやってもおかしくないような事業を一民間企業がやろうとしているのです。(リニア中央新幹線もそうかもしれません)
トヨタ自動車の商品があまり好きではない方も、一民間企業としてトヨタ自動車を見れば面白いかもしれません。
世界で何が起こっているのか?もっと目を向けよう
この書籍を読んで強く思ったことは、「世の中で起こっていることにもっと目を向けよう」ということです。
- その日一日を暮らすのが精一杯で、ニュースを見る時間がない
- ニュースを見るだけではよく意味が分からず、関心が持てない
- 数十年先の未来の話なんて、(年齢的に)自分には関係ない
立場や年齢、好奇心の強さによって世の中のできごとへの関心の高さは人それぞれでしょう。
もちろん、人生はその人ものも。どう生きてどう死ぬかはその人の自由です。
しかし、今は変化の激しい時代。特に自動車業界は「100年に一度の大変革」と言われています。
そして、その話は自動車だけでなく、エネルギー問題、環境問題など他のさまざまな問題にも波及していくでしょう。辿っていくと食糧問題やジェンダー問題など、一見関係なさそうな問題にも繋がっているかもしれません。
世の中で起こっている問題のうち、私たちに無関係な問題など一つもありません。(年齢によっては)生きているうちは関係ないかもしれませんが、子どもや孫の世代では問題になるかもしれません。
- 自分の世代には関係ない
- 自分が生きているうちに問題にならなければいい
それは少し寂しいように感じます。
世の中のさまざまなことに関心を持つ人、世の中がこのまま進めば最悪の場合どうなるのか?と考える人。
そのような人が少しずつ増えれば、私たちが住む地球は人間にとっても、自然界にとっても住みやすい場所になるのかもしれません。
挑戦なくして成長なし、成長なくして成功なし
ふとこのように思ったことはありませんか?
- トヨタ自動車は大企業だから安定していていいなぁ
- 安定していて給料の高そうな会社に入りたかったなぁ
- トヨタ自動車は大企業だから、どのような商品(車)でも売れるだろうなぁ
誰でも一度くらいはこう思ったかもしれません。しかし、この書籍を読むとその考えは甘い考えだったということが分かると思います。
大企業だから安定しているのではありません。一つひとつの実績を積み上げて、不安定なビジネス環境の中で豊田章男さんやトヨタ自動車の社員の力によって、安定(していそうに見える状況)を手に入れているのです。
給料が高いのはそれだけ良い商品を多くのお客様に届けているから。そのようなトヨタ自動車の業務レベルについていこうとすると、それだけの自己投資(業務外のさまざまな分野の勉強など)も必要になるでしょう。
どのような商品(自動車)でも売れるわけではありません。トヨタ自動車や全国の販売会社の社員がお客様に商品の良さをお伝えして、お客さんが納得してお金を払ってくれるから車が売れるのです。
(中には実際売れなかった車もあるため、トヨタ自動車の車だからという理由だけでは売れないことはよく分かるでしょう)
トヨタ自動車が今の地位を築けたのは、豊田章男さんをはじめ働く社員が挑戦し続けてきたからだと思います。
挑戦しなくては、成長することは絶対にありません。
なんとなく仕事をしていたら、なんとなく成長して、なんとなく良い給料をもらえる。そのような都合の良い話はありません。
成長しなくては、成功することは絶対にありません。
「成功」の基準を何にするか(目標)は人それぞれです。しかし、成長しなくてはその目標を達成することは一生ないでしょう。
どう生きるか?
それは、その人の考えなので各個人が決めることだと思います。しかし、一度だけでもいいので「どういう思いで死にたいか?」と考えてみてください。
そうすれば、生き方に対する考えが少し変わり、今まで退屈に見えていた日常の風景が少しだけ良い方向に変わるかもしれません。
おわりに
自動車が大好きな伊奈香澄。最近なんとなく気になっていたトヨタ自動車の勉強ができると思って読んだ書籍でした。
しかし、未来に向かって挑戦しつづけるトヨタ自動車の姿勢と豊田章男さんの生き様から、人生の歩き方を学んだような気がします。
今の日常にモヤモヤしている人、納得のいく人生を歩きたい人。
ぜひ、この書籍を一度読んでみてください。
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ではまたのちほど。