今回も前回に引き続き『信州人、本を読む。』シリーズをお送りします。
シリーズ第2段は『星野リゾートの事件簿』です。
前回はヤッホーブルーイングのお話でしたが、今回はヤッホーブルーイングの親会社である星野リゾートのお話です。
それでは早速いってみましょう。
日常にあるものに気付く力。
この本では星野リゾートが全国各地にあるホテルや旅館で実際に起こった事件を紹介しています。
最初に印象に残ったのは北海道占冠村(しむかっぷむら)にあるアルファリゾートトマムで起こった事件です。
アルファリゾートトマムには雲海カフェという名物があります。
ゴンドラで山の上に登り、カフェでくつろぎながら雲海を見下ろせるというサービスです。
今では有名なサービスだそうですが、これを最初に思いついたのは索道部門(ゴンドラ部門)のスタッフだそうです。
そのスタッフにとって雲海は見慣れた景色でしたが、ふとお客様が喜ぶ姿が目に浮かんだそうです。
日々、目の前の業務に一生懸命になるあまり、長期的な視点が足りなくなったり、『本当に良い仕事とは?』という問いの答えを探すことを避けることはよくあることだと思います。
しかし、仕事にはそういった視点や答えが必要な場合も多々あると思います。
視野が狭くなったなと思ったら一度立ち止まってみるのも良いのではないでしょうか。
少し周りを見渡すと雲海のように、あなたの仕事のブレイクスルーとなる答えがそこにあるかもしれません。
間違っていることは間違っている。
次に印象に残ったのは福島県磐梯町にあるアルツ磐梯で起こった事件です。
このホテルには赤ちゃんのためのお昼寝ルームがあるそうなのですが、その部屋を更衣室として使うお客様がいたそうです。
しかし、その原因を調べるとホテルのスタッフが更衣室で会議を開いており、更衣室が使えないことだと分かりました。
そのことに気付いたのはなんと新人研修中の新入社員でした。
研修が終わればそのホテルからは離れる、スタッフ間の関係がぎくしゃくするなど迷う要素はいっぱいあったものの、結局ホテル中のスタッフにメールで報告したそうです。
するとスタッフどうしで意見を言い合うきっかけとなり、ついには顧客満足度の向上につながったそうです。
会社で仕事をしていると何かおかしいと思うことは多くあると思います。
しかし、その1つひとつに逐一対応しているとまともに業務が進まないという事情があるのも現実だと思います。
ただ、そんな中でも『これだけは言わないといけない』というタイミングがあると思います。
そんな時が来れば『勇気を振り絞る』なんて呑気なことは言ってられず、自然と口や手が動くという経験はあなたにもあるのではないでしょうか。
『これだけは譲れない』という信念が持てるように少しずつでもなりたいと、伊奈香澄は思っています。
自ら考えて納得して仕事を進める。
これは特定のホテルでの事件ではなく、星野リゾート全体の企業文化だそうです。
『どうしたらお客様に喜んでもらえるか』という共通の理念はあるものの、具体的にどうするかという裁量は現場に任せられることも多いそうです。
正確に言うと現場で話し合ってみんなが納得した上で仕事を進めるそうで、上司はそのサポートをするそうです。
チームで仕事をするものの、そこには各々の考えがあり判断があり、そういったことの積み重ねが星野リゾートの顧客満足度を高いものにしているのだと思います。
①自ら考えて行動する。
②自ら考えるので納得して進められる。
③納得して進めた仕事でお客様に喜ばれる。
もちろん文章で書くほど簡単なことではありませんが、こういったサイクルが社員にとってもお客様にとっても魅力的な星野リゾートを作っているのだと思います。
日本の観光をやばくする。
これは星野リゾートの星野佳路社長が言っている言葉です。
日本は製造業では国際社会の中で存在感があるが、観光業ではまだまだだそうです。
しかし、日本という国は治安が良く、独自の文化もあるので、世界の観光業に追いついて一流になれると星野社長は考えているそうです。
社長になってからは一流になるための仕事を続けてきているそうです。
いかがだったでしょうか。
今回は星野リゾートが日本の観光をやばくする過程のほんの一部のお話を取り上げました。
こういった会社から仕事や生き方の面で学べることは多くあると思います。
また、実際にサービスを受ける場面ではそのサービス1つひとつに込められた思いを感じることができると思います。
伊奈香澄もこういった思いを感じ取れる人になり、自分の人生をやばく出来るように生きていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
そんなあなたの人生をやばくできるように1つ紹介させて下さい!
ではまたのちほど。