どうも、月1回マックを食べるのが楽しみな伊奈香澄です。しかし、その日はどうしても食べすぎてしまいます(汗)
あなたは小田急電鉄のロマンスカーを知っていますか?
この質問をすると都内在住の1,200万人くらいの人が「はい。」と答えると思います。
それではこの質問はどうでしょうか?
あなたは長野電鉄の特急ゆけむりを知っていますか?
この質問をすると長野県在住の100万人くらいの人が「はい。」と答えると思います。ちなみに長野県の人口は約202万人(※1)です。(2022年8月1日現在)
(※1)長野県の人口と世帯数
信州には創業してから100年を超える企業があります。以前このブログでも紹介した綿半ホールディングス(創業:1598年)、住宅やマンションの建設を行うヤマウラ(創業:1920年)、小布施町にある栗菓子店の桜井甘精堂(創業:1808年)などがあります。
長野電鉄も創業100年を超える企業の一つ(創業:1910年)。そして、今年2022年は営業開始から100年の節目の年なのです!
長野電鉄では営業開始100年を記念して、1回100円で特急列車を含むすべての列車に乗れる企画をおこないました。
電車に乗るのは2〜3か月に1回の伊奈香澄ですが、100円につられて家族で電車の旅をしてきました。
この記事では長野電鉄の歴史と、営業開始100年の企画、そして終点である湯田中駅の近くにある温泉を紹介しています。
信州で電車の旅をしたい人にオススメです。
長野電鉄とはどんな企業なのか?
信州以外に在住で「長野電鉄」と聞いてピンとくる人は、信州旅行が好きな人か鉄道が好きな人だと思います。
ここではまず、長野電鉄がどのような企業なのか説明します。
創業の経緯
長野電鉄はJR長野駅付近の地下にある「長野電鉄 長野駅」から、志賀高原のお膝元である「湯田中駅」を結ぶ全長33.2kmの長野線を運営する鉄道会社です。
前身となったのは1922年(大正11年)に営業を開始した河東鉄道(かとうてつどう)。営業開始当初の路線は須坂駅〜屋代駅。
須坂市や松代町で盛んに生産されていた生糸を輸出港のある横浜まで運ぶため、JR(当時は鉄道省が運営)の路線につなげることが目的だったと言われています。
河東鉄道が営業を開始した翌年の1923年(大正12年)、長野電気鉄道が産声を上げます。
長野電気鉄道は権堂駅(ごんどう、JR長野駅から1kmほどの繁華街)から須坂駅を結ぶ路線を運営していました。その後両社は合併し、権堂駅〜長野駅の開業、須坂駅〜木島駅(飯山市)の開業、信州中野(中野市)〜湯田中駅(山ノ内町)の開業を経て営業路線を伸ばしていきました。
二度も経験した平成の廃線
長野電鉄は戦後のスキーブームに乗り、観光利用をメインに収益を上げていました。しかし、時代はモータリゼーションへ移行。自家用車でスキー場へ向かう観光客が増えると、もともと人口少なかったため営業を続けることができなくなってしまったのです。
2002年に信州中野駅〜木島駅の廃線、2012年には須坂駅〜屋代駅の廃線とわずか10年の間に2度も廃線を経験することになるのです。
2度目の廃線により当初河東鉄道が運営していた路線はなくなり、現在では長野駅から湯田中駅を結ぶ観光を目的とした鉄道会社となったのです。(もちろん沿線の学生や会社員の通勤・通学にも利用されています。)
常に時代に翻弄されてきた長野電鉄。今後も苦しい経営状況が続くと思いますが、ホテル事業、不動産事業、介護事業など鉄道以外の事業も含めて100年先も残っていてほしいと思います。
片道100円のロマンスカーの旅
それでは営業開始100周年企画の様子をお伝えします。
移住する前は信州に遊びに来たときによく乗っていた長野電鉄。しかし、移住してからは車での移動がメインとなり、香澄娘が生まれたこともあってほとんで電車に乗らなくなりました。(たまに長野市街地の移動で3駅間ほど乗ります。)
最近電車にも興味が出てきて、「特急列車に乗りたい!」と言い出した香澄娘。いい機会だと思い、家族3人で長野駅〜湯田中駅まで特急に乗りました。
車内の様子
今回乗った特急列車はこちら↓
「特急ゆけむり」です。もともとは小田急電鉄のロマンスカーとして走っていたため、関東在住の方にとっては懐かしい車両だと思います。
伊奈香澄の家の最寄り駅は長野駅ではありません。しかし、この日は混むことが予想されたのであえて始発駅の長野駅へ。
その予想は見事に的中したのです。湯田中駅から帰ってきた特急ゆけむりの様子を見てください↓
小田急時代は混むこともあったのかもしれませんが、長野電鉄ではおそらくはじめてでしょう。
時間帯と方向の問題もあるのかと、座席に座った当初は思っていました↓
しかし、出発時刻が近づくとだんだん人が多くなり、ついには通路まで人で埋まってしまいました。
100円の力、恐るべしです。(伊奈香澄も100円につられて乗った1人ですが、笑)
車窓からの景色
長野電鉄は始発駅から3駅(善光寺下駅まで)は地下区間を走ります。
地方鉄道ではめずらしい地下区間ですが、地下化の目的は地上にある長野大通りの渋滞緩。長野電鉄が地上を走っていたころは渋滞がひどかったそうです。
今でもたまに渋滞するときがあるので、地下化の目的は十分に達成されていると思います。(長野電鉄は高架にしたかったそうで、地下化にしたい長野市と費用に関してもめたそうです。)
善光寺下駅をすぎて地上に顔を出した特急ゆけむり。はじめに見えてくるのは信州の雄大な……↓
住宅街です(笑)
長野駅から出発した特急ゆけむりは千曲川を渡るまでは住宅街の中を走ります。いきなり雄大な自然が見られると思った人はごめんなさい!
その後、新幹線の高架をくぐり↓
本当に雄大な千曲川にかかる村山橋を渡ります↓
その後須坂駅と小布施駅で停車し↓
信州中野駅でも停車します↓
信州中野駅を発車してしばらく走ると、左手に見えてくるのが高社山(こうしゃさん)↓
高社山が見えなくなり、代わりにこの垂れ幕が見えてきたら終点湯田中駅に到着です↓
約45分の長旅、お疲れ様でした。
あれ?33.2kmのわりには時間がかかるな?
と思った人はするどいですね。実は信州中野駅を過ぎてから湯田中駅に向けて急に登り始めます。この勾配が最大40‰(※2)ときついため速度がゆっくりなのです。
(※2)「パーミル」と読みます。%が1/100なのに対して、‰は1/1000。わずか4%(40‰)の勾配(100m進むと、4m上に上がる)でも鉄道にとっては急なのです。
湯田中駅に到着すると、歓迎の音楽「美わしの志賀高原」(うるわしのしがこうげん)と温泉に入る猿「スノーモンキー」のポスターが出迎えてくれます↓
さらっと『美わしの志賀高原』をスルーしましたが(笑)、気になってしょうがない人はこちらで聴けます↓(他の方のYouTubeより拝借)
今回は座れませんでしたが、先頭車両に座るとこのような景色が見られます↓(湯田中駅から長野駅方面を見ています)
鉄道マンに憧れる小さなお友達も、鉄道好きの大きなお友達も、気になる人は閑散期の特急ゆけむりが狙い目です。
湯田中駅の近くにある「楓の湯」
長野電鉄の終点「湯田中駅」は湯田中温泉、渋温泉、上林温泉(かんばやしおんせん)などへのアクセス拠点です。しかし、これらの温泉は泊まりで行くのが基本であり、湯田中駅からは旅館の送迎バスで向かいます。
しかし、近場の温泉に泊まる長野県民は少ないもの。(伊奈香澄は妻の両親との忘年会を湯田中温泉のホテルでやりますが、笑)
そんな長野県民と、湯田中温泉以外の場所に泊まる観光客ための温泉が駅前にあるのです。その名は「湯田中駅前温泉 楓の湯」。湯田中駅の改札口の反対側にあるので、アクセスも抜群です。
無料の足湯があるよ!
楓の湯の前には足湯があります。しかもなんと無料で入れるのです↓
見てくださいこの湯量を↓
どんどん新しいお湯(温泉)が流れてきます。寒い冬でも囲いがされるので安心して温まれます↓
寒い信州で足湯は最高の暖房器具です!
温泉も格安で入れるよ!
もちろん温泉にも入れます。料金はなんと300円と格安なのです!
こじんまりとしていますが露天風呂もあり、シャンプーやボディソープも整っています!300円以下の温泉ではシャンプーやボディーソープがないことが多いのですが、この温泉は違います。それでは早速入ってみましょう↓
券売機で買った券を受付の人に渡し、奥に進むと湯田中駅のホームが見える畳敷きの休憩処があります。
お休み処の手前に女湯、奥に男湯がありました。月替りの入れ替え制なので、間違えないように気をつけてください(笑)
浴室の様子はいつもの通りHPに譲ることとします↓
泉質はナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉。神経痛、関節痛、筋肉痛などの改善効果が期待できるそうです。
熱いことで有名な群馬県の草津温泉は「湯もみ」をしてなんとか源泉のまま入れるようにしていますが、湯田中温泉の源泉温度は91.7℃。そのため加水して温度を下げています。(それでも熱いですが、笑)
楓の湯では毎月26日(風呂の日)に企画風呂をやっています。
- 4月:ラベンダー風呂
- 5月:柿の葉風呂
- 6月:バラ風呂
- 7月:梅風呂
- 8月:桃の葉風呂
- 9月:桃の葉風呂
- 10月:ラベンダー風呂
- 11月:笹風呂
- 12月:りんご風呂
- 1月:みかんの皮風呂
- 2月:りんご風呂
- 3月:りんご風呂
12個の企画を考えて実施する大変さはあると思いますが、重複がないとより楽しめる人が増えると思います。(長野県の象徴であるりんご風呂はそのままで!)
楓の湯はこちらにあります↓
最後に
今回は長野電鉄 営業開始100年を記念した企画を利用して、片道たった100円で湯田中温泉に行ってきました。
土地柄、車で移動することが多い長野県民。伊奈香澄も長野駅まで歩いて行くことはありますが、電車に乗る機会はほぼ皆無。
ライティングスクールの授業で「電車の車内には勉強になるような広告がたくさんあります」と言われたとき、心の中で「電車にそもそもほとんど乗らない長野県民はどうしたらいいのだろう!?」とツッコみました(笑)
香澄娘に公共の場でのマナーを教えるためにも、長野電鉄が次の100年に向けて走れるためにも、たまには電車を利用しようと思います。
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ではまたのちほど。