どうも、最近腰の痛みに悩まされている伊奈香澄です。
自宅の仕事場では床にテーブル&座椅子で作業をしていますが、そろそろデスクと椅子がほしいところです……。
「あなたは仕事をするときに文章を書きますか?」
この質問をすると江戸時代から識字率の高かった日本人の多くは「はい。」と答えると思います。
因みに江戸時代の日本全国の平均識字率は60%〜70%といわれています。
それではこの質問はどうでしょうか?
「あなたは文章を書くことに苦手意識をもっていませんか?」
この質問をすると文字を読む必要がない動物園のカピバラ意外の多くの人が「はい。」と答えると思います。
この記事ではブックライターである上阪徹(うえさかとおる)さんの著書『文章の問題地図 「で、どこから変える?」伝わらない、時間ばかりかかる書き方』の紹介と、そこから学べることを述べていきます。
「文字なんて一文字たりとも読みたくない!」というあなたも、「世の中の全てが活字になればいいのに!」というあなたも楽しみに読んでみて下さい。
そもそもブックライターとはどんな仕事なのか?
書籍のあらすじを紹介する前に「ブックライター」という職業についてご説明します。
書店や図書館にいくと、芸能人やスポーツ選手の本(自叙伝など)が売っていますよね?
実はあれ、本人が書いている訳ではないのです。
中には書籍の執筆経験があって自分で書ける人もいるかもしれません。
しかし、多くの人にとって書籍になるほどの文章を書くのはなかなか難しいものです。書籍を作るには電子書籍で約20,000字、紙の書籍では約100,000字の文字量が必要となります。
ただし、これはあくまで文字量だけの話です。他にも素材集めや構成検討など書籍を作るうえでしなくてはならないことはたくさんあります。
このような仕事を本業が忙しい芸能人やスポーツ選手がこなすのはなかなか難しいものです。
そこで本業が忙しい人に代わって本を書くのが「ブックライター」という職業です。
「ゴーストライター」と何が違うの??と思う人もいるかもしれません。ゴーストライターはライターの名前が世に出ることは絶対にありませんが、ブックライターは著者とは別にかつ正式に名前が世に出ることがあります。
このようにブックライターの仕事の意義はただ本を作るだけにとどまらず、多くの人が読みたいと思う素材(芸能人やスポーツ選手の興味深い話)を世に送り出す大切な使命を担っています。
あらすじ〜あなたはなぜ文章に苦しんでいるのか?〜
それではこの本のあらすじを紹介します。章立ては次のようになっています。
- 1丁目 とにかく時間がかかる
- 2丁目 書くことがない
- 3丁目 構成がうまくできない
- 4丁目 長さにひるむ
- 5丁目 手戻りが多い
- 6丁目 読みづらい
- 7丁目 伝わらない、刺さらない
- 8丁目 言葉づかいがひどいと言われる
全部で8個の章で構成されています。書籍のタイトルにある問題「地図」らしく〜丁目という表記になっています。
8個ある章のうち20個くらいは心当たりがある人が多いのではないでしょうか??(笑)
残りの12個は自分の胸に手を当てると聞こえるかもしれません。
この書籍はあくまで一般ビジネスマン向けです。
それなのに章のタイトルを読むだけでも高度なことが書いてありますよね?
そうなんです!実は文章を書くということはとても高度な技術なんです。
その技術を使えるあなたはとてもすごいのです。それでも自分の文章の技術に悩みを持つあなたは、もっと文章が上手になる「伸びしろ」があります。
最近の書籍(伊奈香澄が読む書籍)は200ページ前後のものが多い中、この書籍は約170ページと読みやすいです。
実は文章を読むことがあまり好きではない伊奈香澄でもすんなり読めてしまいました!
日々の文章作成の振り返りに、明日の自分への投資にこの書籍を手元において損はないと思います。
そもそも文章を読むのが苦手な人が多い!?
伊奈香澄は日々、さまざまな文章を読みます。
紙の書籍はもちろんのこと、電子書籍、企業HPに掲載されているコラム、ブログ、文章のSNSである『note』など……。
しかし、未だに文章を読むことに苦手意識があります。「未だに」と書いたのは子どもの頃からそうだったからです。
子どもの頃は手元に多くの本(童話)がありました。私の家は比較的貧しい家庭でしたが、母が「本は将来のためになる」と知人・友人から多くの童話集をもらってきてくれたからです。
そんな苦労も知らずに私はあまり本を読みませんでした。
しかし、その後成長したときスイッチが入ったかのように夢中で読んだ本がありました。
今でも覚えているのが15歳のころに読んだ太宰治さんの代表作『人間失格』。読んだきっかけは学校の夏季休暇の課題である読書感想文を書くためでしたが、読んでみるとその世界にどっぷり浸かりました。
読書感想文の最後を「自分が人間失格だと気づいているのだから、太宰治も私もまだまだ人間失格ではないのかもしれない。」と結び、国語の先生にほめていただいたことを今でも覚えています。
世の中には本嫌いな伊奈香澄を、簡単には抜け出せない本の世界に引き込む作品があることをはじめて知った瞬間でした。
現在に話しを戻すと、人間の集中力が続く時間は年々短くなっているといわれています。
確かに私も10分以上の動画を見るときは、その必要性を考えてから見るようになりました。そして、面白くないと思えばすぐに見るのをやめるか別の動画を見てしまいます。
そんな世の中で読んでもらえる文章を書くというのは非常に高度な技術なのです!(少なくとも伊奈香澄はそう思っています。)
それではどんな文章を書けば読んでもらえるのか?
大きく二つのことが大切だと思っています。
一つ目は相手に煩わしさを与えないことです。
誤字脱字がある(固有名刺の誤字脱字は以ての外)、一文が長くて一回読んだだけでは意味が分からない、言葉にとげがある……など読む相手が負担に思うことを少なくすることが大切です。
これは文章を書いた人が同じことをあなたの目の前で話していると思えば分かりやすいです。
誤字脱字(言葉の言い間違いや、固有名詞の読み間違い)、意味不明(〜ですが、〜なのでと文章が続く)、きつい言葉(ことばのそのもののチョイスやニュアンス)。これらを駆使して話をされると、たいていの人はイラッとしてしまうと思います。
二つ目は読む人の心を掴むことです。
読む人の心を掴むといっても小説家のような文章を書く必要はありません。読む人が「続きが読んでみたい」と思ってくれたらいいのです。
結論がはじめに明確に書いてあってわかりやすい、少し読み進めると詳細がしっかり書いてある、全体として理論に矛盾がなくすっきりと頭の中に入ってくる。言葉にすると難しいですが、訓練をすればなれると思います。シンプルなのがベストです。
因みに普段からブログやWebコラムのような文章を書く伊奈香澄ですが、会社では「書いていることが分からない」と上司によく注意されます。おまけに「言っていることはもっと分からない」ともよく言われます(笑)
いつか上阪徹さんが文章の書き方と同時に話し方も直す書籍を出版してくれることを願っています。
書くことと話すこと
前章でも少し触れましたが伊奈香澄は話すことが特に苦手です。
文章の場合、評価の対象になるのは書いた文章だけ。ドライかもしれませんが、非常に分かりやすいです。
文章を否定されることはありますが、人格まで否定されることはありません。
しかし、話すときは全く世界が違います。
話す内容が評価されることは当然だと思いますが、表情や身振りなど話す内容以外のことが評価されてしまいます。
場合によっては「人格を否定されているのではないか!?」と思うようなことまで言われます。
99%の場合、相手にそのつもりはないのでだと信じたいですが、世の中にはそう受けとってしまう人がいることをぜひ覚えておいてほしいと思います。
そんな伊奈香澄が実践しているのは、文章を書くときの自分になって話すということです。
文章を書くときは書きたいことが決まっています。そう思った理由も明確にあり、自分の考えもまとまっています。
その考えは誰かに何かを言われたからといって、簡単に変わるものではありません。
話すときも同じ姿勢で相手に臨めれば、どんなに楽かといつも思います。
……思うだけでまだ成果は出ていませんが。。
最後に。
この記事ではブックライターである上阪徹さんの著書『文章の問題地図 「で、どこから変える?」伝わらない、時間ばかりかかる書き方』の紹介と、その書籍から学べることをご紹介しました。
この記事を読んで上阪徹さんの著書を手に取る人が増えればうれしいなと思います。
因みに伊奈香澄は人と話すことが苦手ですが、人と話すことでしか解消されないストレスがあることも、実体験を通してよくわかっています。
書くことと話すこと。この両輪をうまく回せればあなたの人生は、あなたの思う通りに豊かになることでしょう。
ではまたのちほど。