どうも、久しぶりにアルコール度数の高いチューハイを飲んで酔っ払ってしまった伊奈香澄です。
普段はウイスキーを炭酸水でうすーく割って飲むので、知らない間にお酒に弱くなっていました。
「あなたは長野県(信州)の県庁所在地はどこだと思いますか?」
この質問をすると多くの人が「Oh, Nagano!!」と陽気に答えると思います(笑)
それではこの質問はどうでしょうか?
「かつて信州の県庁所在地が長野市になかった時代を知っていますか?」
信州北部の人以外はあまり知らないのではないでしょうか。
今回はかつて信州の県庁が置かれていたある街のお話です。
江戸時代から明治時代初期に栄えた中野市。
長野県中野市という街を知っていますか?長野市から北東に車で30分〜45分ほどの場所にある街です。
中野は江戸時代、幕府直轄領(天領)として栄えていました。
谷街道と草津街道という大きな街道が交差する場所に街があったこともり、非常に賑わっていたことと思います。
明治時代になると廃藩置県により県が設置されます。
当時は伊那県(県庁所在地:現在の伊那市)という名前の県が置かれており、その分局が中野に置かれていました(中野分局)。
その後、中野分局が伊那県から独立することになり、1870年(明治3年)にめでたく中野県が誕生します。
しかしこの時、中野県が短命に終わることはまだ誰も知りませんでした。
中野には江戸時代から使用していた陣屋があり、その建物を県庁の庁舎として使用することになります。
陣屋とは三万石以下の藩主が持つ、お城に相当する建物です。
お城と言っても姫路城や松本城のような大きな建物ではなく、行政機関を置いたり代官の住居となった一般的な建物です。
陣屋が中野県庁として1870年(明治3年)9月に使用開始したものの、その3ヶ月後には周辺の村人による一揆(中野騒動)が起こります。
一揆の理由は経済の混乱により農民が生活に困窮したことだと言われています。
一揆を起こした村人は豪農や商家など比較的裕福な家を襲い、最後には陣屋(中野県庁)に火を放って消失させてしまいます。
中野の人たちはもちろん中野県庁の復旧を願いましたが、その願いも虚しく1871年(明治4年)7月には県庁が長野村(今の長野市)に移ります。
これが長野県誕生、及び長野市が県庁所在地になった経緯です。
長野村も善光寺を中心に栄えていましたが、こんな形で県庁所在地が変わるのは中野の人にとっては非常に残念だったと思います。
中野県庁の資料が展示されている「中野陣屋 県庁記念館」
そんな波乱の歴史を歩んだ中野ですが、かつて陣屋があった場所には「中野陣屋 県庁記念館」が建っています。
それでは早速行ってみましょう!
無料の駐車場に車を置き、風情のある柳の木の中を歩いていきます。
少し歩いて振り返るとこんな景色が見えます↓
さらに歩いていくと「中野陣屋 県庁記念館」が見えてきました↓
今はカフェも併設されているので、「KEY COFFEE」の看板がありますが、県庁時代からあった訳ではありませんので安心して下さい(笑)
この付近は石畳が引かれていたり、小川が流れていたりと景色を見るだけでも楽しめます↓
かつてこの場所が天領で、後に県庁が置かれたことも分かります↓
それでは建物の中に入ってみましょう!
建物は2階建てになっており、1階の入り口を入って右に進むと中野騒動に関する展示があります。
伊那県から中野県が独立したと思ったら…↓
わずか3ヶ月後には中野騒動が起こり…↓
あれよあれよと言っている間に…↓
中野県は消滅し、長野県が誕生します。
もちろん一揆を起こした村人は逮捕されて処刑されました↓
処刑に使われた道具も展示されていました↓
時代も価値観も違うので一概に当時の村人を責めることはできません。
しかし、自らがこれから行うことの影響はよく考えましょう。
もしかしたら、その行動が大きな歴史の転換の第一歩になるかもしれません。
のどが渇いたら婦人服店へ!?
歴史の勉強をするとのどが乾きませんか?(笑)
そんな時は中野陣屋の近くにあるカフェへ行ってみましょう!
(中野陣屋の中にもカフェはありましたが、今回は別のカフェへ行きました。)
散歩をしていると、婦人服店のように見えるのにカフェメニューを掲げているお店がありました↓
こんな面白そうなお店を見つけたら入らずにはいられません!
中に入るとやはり婦人服店のようです。毛糸も売っていました↓
しかし、壁にはやっぱりカフェメニューが掲載されています↓
実はこのお店、婦人服店の一角に椅子とテーブルを置いてカフェとして営業してるようです。
因みに2枚めの写真のメニューはドリアにワカメスープとコーヒーが付いてきます。決してコーヒー付きのワカメスープが750円する訳ではないので安心して下さい(笑)
乾いたのどを潤すために、早速注文してみました↓
「ザ昭和の喫茶店」のニオイがプンプンするようなクリームソーダです!
見た目の期待を全く裏切らない美味しさに満足しました。少し量が多かったので、香澄娘と分けて飲みました。
香澄妻はアイスを頼んでいました↓
少しもらいましたが、ブルーベーリーとそのソースがアイスと溶け合い、なんとも言えない甘さがありました。
このお店では定期的に楽器演奏によるライブをするようです。この日はアコースティックギターと縦笛の演奏が行われていました。
『天空の城 ラピュタ』の『君をのせて』など5曲ほど楽しみました。
演奏の途中に香澄娘がクリームソーダをこぼしてしまい、少し慌てたのはココだけの秘密です(笑)
最後は温泉で汗を流そう!
もはやこのブログでは定番の流れですね(笑)
最後は温泉に入ってゆっくりして、汗を流しましょう。もちろん中野市にも温泉があります。
温泉に入っている途中に村人が襲ってくることはありませんので、安心して下さい(笑)
今回行った温泉は実は以前にも紹介しています↓
しかし、リニューアルされていたり、当時の記事では温泉についてほとんど語っていないので、改めてご紹介します。
温泉の名前は「間山温泉公園 ぽんぽこの湯」です。その名の通り、入り口付近ではたぬきが出迎えてくれます↓
いつもの手形を使って顔パスで入ります↓
美味しそうな駄菓子に誘惑されないように、廊下を歩いていくと浴室の入り口があります↓
ここからはいつも通り、浴室の写真はHPに任せることにします↓
建物の入り口や館内のイメージ通り、脱衣所は木のぬくもりに溢れています。
清潔感もあるので、脱衣所に入った時点で少しワクワクします。
そして内湯に入ると正面には大きな窓があり、眼下には街の景色が広がります。この温泉は小高い山の中腹にあるため、雄大な眺めが望めます。露天風呂からも、もちろん同じ景色が見られます。
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉です。
そういえばこの温泉もナトリウム・カルシウム-塩化物泉でした↓
しかし、ぽんぽこの湯は硫黄を含んでいないようで、あけびの湯のような硫黄のニオイはしませんでした。
温泉から上がったら展望デッキへ行ってみましょう。実は前回記事を書いた時はこの展望デッキがまだありませんでした。
そのため、このブログでは初公開となります。それではどうぞ↓
展望デッキにはソファやテーブルがあり、景色を見ながらゆっくり休むことができます。また、奥にはハンモックもあるため少しだけなら昼寝をすることもできます。
この展望デッキから見える景色はこちらです↓
遠くに街が見えます。こう見るとかなり山奥に見えますが、実は市街地(信州中野駅)から車で15分〜20分ほどの距離です。
ズームしてみると、こんな写真が撮れました↓
やっぱり高い場所から眺める景色は最高ですね!もちろん温泉に浸かりながら同じ景色が見られます。
「間山温泉公園 ぽんぽこの湯」はこちら↓
最後に。
今回は長野県中野市を紹介しました。
今は温泉に浸かりながら景色を眺められる平和な街ですが、かつては歴史を動かすほどの一揆があった街です。
今ある平和に感謝しながら、毎日を暮らしていきましょう。
そんなことを思いながら温泉から帰ろうとしたところ、香澄娘に一揆を起こされました(笑)
場所は例の駄菓子売り場です。要求金品はアンパンマンの飴!金額にしてわずか数十円です。
伊奈家では2歳4ヶ月の香澄娘には飴を与えていません。しかし、香澄娘は飴が何なのかよく分からず、ただアンパンマンのパッケージに惹かれています。
普段は説明すれば分かることもある香澄娘ですが、一度泣き出すと聞く耳を持ちません。
そんな時こちらは一切慌てることなく、強制撤去です。
娘よ、申し訳ないが飴はもう少し大きくなってから食べてくれ!
因みにこの話しには後日談があります。香澄妻によると次の日に香澄娘が「パパが買ってくれなかった…」と独り言を言っていたそうです。
中野の一揆は鎮圧されましたが、香澄娘の一揆はまだ何年も続くでしょう。
因みにこの中野は中野市とは関係ありません↓
ではまたのちほど。