ジャケ買い。
音楽市場でCDが全盛期だった頃は、このような言葉がありました。
ジャケ買いの「ジャケ」とはジャケットのこと。つまり、ジャケットがいい!と思って選んでCDを買うことです。
一方、ビールのパッケージ(ジャケット)は以前と比べるとバラエティ豊かになってきました。
かつてはビールメーカーのロゴやイメージが全面に押し出されているものばかり。
しかし、近年では思わず手に取りたくなるようなパッケージが増えてきたのです。
今回は数あるバラエティ豊かなビール(クラフトビール)の中から、力士がパッケージになったものを紹介します。
なぜ、力士がパッケージになっているのか?パッケージになっている力士は誰なのか?
気になる人は最後まで読んでみてください。
オラホビールを作っているのはどんな会社?
力士がパッケージになっているクラフトビールの名前は「オラホビール」。
このビールは長野県東御市(とうみし)にある「オラホビール」が作っています。
長野県軽井沢町に本社がある「ヤッホブルーイング」の設立が1996年、そして翌年の1997年にオラホビールが設立されました。
面白いのは、この会社が民間企業ではないこと。
東御市が出資する第三セクターである「信州東御市振興公社」が運営しているのです。
つまり元は町おこしからはじまったクラフトビール事業。創業当時はまだ「地ビール」と言われていた時代です。
地ビールの中には個性が強く品質の安定しないものが多く、お世辞にも良いビールとは言えないものが多かったようです。
実際、地ビールのブームが過ぎ去ると倒産していった地ビールメーカーも多かったとのこと。
その中で生き残ったのが、ヤッホーブルーイングやオラホビールなのです。
オラホビールのHPと地図はこちらです↓
オラホビールのパッケージになっている力士「雷電」(らいでん)って誰?
オラホビールのパッケージになっている力士は誰でしょうか?
雷電はその名を「雷電為右衛門」(らいでんためえもん)といい、信濃国 小県郡大石村(現在の東御市)生まれの江戸時代に活躍した力士です。
1767(明和4)年に誕生した太郎吉(のちの雷電為右衛門)は、小さいころから怪力ぶりを発揮していたのです。
15歳のころ、馬に荷物を載せて運んでいたときに狭い道で出会った大名行列。避ける場所もなく、荷物を積んだままの馬を頭のうえに乗せて大名行列を通した、という逸話も残っているほどです。
その後、1788(天明8)年21歳のときに松江藩(現島根県)のお抱え力士となり、雷電為右衛門と名乗るようになりました。
1811(文化8)年44歳のときに現役を引退するまでの成績(両立)は、なんと9割6分2厘。この成績は現在でも、破られていません↓
2017年は雷電為右衛門生誕250周年の年でした。
雷電為右衛門についてより詳しく知りたい人は、生誕250周年記念サイトを見てください↓
「雷電シリーズ」の限定ビールを飲んでみよう
さまざまな商品ラインナップがあるオラホビール。
その中で雷電為右衛門をパッケージにしたのが、「ビエール・ド・雷電 季節仕込みビール」。
このシリーズは春夏秋冬とそれぞれの季節にあったビールが期間限定で販売され、さらに1年の集大成として毎年違ったビールが発売されます。
この記事では2022年の冬仕込み、2023年の極め仕込み(集大成)、そして同じく春仕込みを紹介します。
いずれもお店で見つけたらラッキーな期間限定ビールです。
ビエール・ド・雷電季節仕込みビール 冬仕込みポーター
一つ目に紹介するのは2022年の冬仕込ポーターです。次のような特徴のあるクラフトビールでした。
- ほのかに香るやさしくも芳ばしい香り
- 芳ばしい苦味の邪魔をしない優しい炭酸
- 香り、苦味、炭酸が合わさったときに感じる絶妙な味
香り、苦味、炭酸。それぞれを単体で感じると、どれもやさしいもの。人によっては頼りなく感じることもあるかもしれません。
しかし、これら三つが合わさると香ばしくも爽やかなポーターが完成するのです!
クラフトビールのわりにのど越しがいいですが、ゆっくり感じないともったいない味です。
ビエール・ド・雷電季節仕込みビール 極め仕込みシークレット
二つ目に紹介するのは2023年の極み仕込みシークレットです。次のような特徴のあるクラフトビールでした。
- はじめに感じるのは柑橘系の爽やかな香り
- わずかな甘さと共存するフルーティーな苦味
- 深さはあまりなく軽やかな味
「ジューシーIPA」と名乗るだけあって、フルーティーさも苦味も犠牲にしていません。
わずかに感じる甘い香りと味。そして、上品さを漂わせる苦味。
口に思い切り含んだときに感じるのは、深みはあまりないものの春のように軽やかに吹き抜ける味でした。
ビエール・ド・雷電季節仕込みビール 春仕込みホワイトエール
最後に紹介するのは2023年の春仕込ホワイトエールです。次のような特徴のあるクラフトビールでした。
- ラガービールのようなやさしい泡
- ラガービールのようなのど越しと鼻に抜ける柑橘系の香り
- 個性は弱いが、誰でも飲みやすいライトな雰囲気
このビールの特徴は飲みやすさ。クラフトビール(エールビール)は比較的個性的なものが多い中、このビールは誰にでも受け入れられる味です。
のど越しの良さも相まって、ゴクゴク飲める一杯だと思います。
実は伊奈香澄は、クラフトビールをはじめに飲んだときは正直あまり美味しく感じませんでした。
その後、徐々にクラフトビールを好きになりますが、はじめにこのビールに出会っていれば、もっと早くクラフトビールを好きになったと思います。
おわりに
今回は東御市にあるクラフトビールメーカー「オラホビール」の限定商品「ビエール・ド・雷電」と、パッケージになっている江戸時代の力士「雷電為右衛門」を紹介しました。
最近は、ついつい手に取ってしまいそうになるパッケージのクラフトビールが増えましたが、そのパッケージに込められた思いがあるのです。
ちなみに雷電為右衛門は大のお酒好きだったそう。飲酒対決をして2斗(36L)飲んでも問題なく歩いていたという逸話もあるほどです。
雷電為右衛門が天国でこの記事を読みながら、ビエール・ド・雷電を飲んでいることと思います。
東御市では雷電の名を関した通常販売商品「雷電カンヌキIPA」がもらえるふるさと納税を受け付けています。
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このビールは今回紹介しませんでしたが、以前このブログで紹介しています。
気になる方はどうぞ↓
こちらでは今回ご紹介したビエール・ド・雷電の「冬仕込みポーター」と「春仕込みホワイトエール」を購入できます↓
ではまたのちほど。