どうも、気温が低くなるにつれて、財布の中身も寒くなりつつある伊奈香澄です。
今月はクラフトビールを飲む機会が多くあり、いつもよりお小遣いを使ってしまいました。
突然ですが、いつものように質問からいきますよ!
「あなたはクラフトビールを知っていますか?」
この質問をすると「クラフト」という言葉を聞くとすぐに「クラフトビール」と勘違いをしてしまう伊奈香澄を含めて、107人くらいの人が「はい。」と答えると思います。
それではこの質問はどうでしょうか?
「あなたはホップを知っていますか?」
この質問をすると「ホップ・ステップ・ジャンプ」にハマっているわんぱくな子どもを含めて109人くらいの人が「はい。」と答えると思います。
クラフトビールを知っていてホップを知らない人はあまりいないと思うので、おそらくわんぱくな子どもが2人増えたのだと思います(笑)。
ホップはビールに苦味や香りをつけるために使われる原料です。ビールの本場であるドイツや、ペールエール作りが盛んなアメリカで多く作られていますが、実は日本でもホップは作られています。
長野県東御市(とうみし)はかつてホップの栽培が盛んな時期があり、大手ビールメーカーのホップ畑がありました。しかし、時代とともに東御市のホップ栽培は衰退していきます。
そのような東御市においてホップを自家栽培するブルワリー(ビール醸造所)があります。そのブルワリーとは「OH!LA!HO!ビール」を作っている「オラホビール」です。しかも、「オラホビール」の醸造所の敷地内には温泉があります。
温泉×ビールというパワーワードを放つ「オラホビール」。いったいどのような場所なのか!?
実際に行ってきましたので温泉レポート、そしてビールレポートをお楽しみ下さい!
ホップとはどんな植物なのか?
ホップがビールの原料であることは知っていても、どんな植物なのか知っている人は少ないのではないでしょうか?ここではまず「ホップ」という植物についてご説明します。
ホップとはアサ科のつる多年生草です。成長するとつるの長さは7m〜12m程度になります。自らの力でツルを支えることはできないため、他の何かに巻き付くことでしか上に伸びることはできません。寿命も長く10年〜30年は生きると言われています。
ホップはビールに苦味や香りをつけるために使われます。
ホップには雌株と雄株があり、ビールに使われるのは雌株です。その理由は苦味の素となる「ルプリン」が雌株にしか存在しないからなのです。
ホップの雌株は松ぼっくりを小さくして緑色にしたような外見です。この部分は毬花(まりばな、きゅうか)と呼ばれ、毬花を真ん中から割ると中にルプリンと呼ばれる黄色い苦味の素があります。
ホップは柑橘系のニオイを放つので爽やかな味を想像するかもしれません。しかし、ビールに苦味をつける成分であることをお忘れなく。噛むと普段飲むビールとは比べられないほどの苦味があるそうです。
なぜ「オラホビール」はホップを自家栽培しているのか?
日本にはクラフトビールを作るブリワリーが600以上あるそうですが(※1)、その中でもホップを自家栽培するブルワリーはあまりありません。
(※1)最新613ヵ所!全国クラフトビール醸造所/マイクロブルワリー一覧
それではなぜオラホビールはホップの自家栽培にこだわっているのでしょうか?
オラホビールのマーケティングマネージャー(2019年現在)である戸塚氏はこう答えます。
日本の、あるいは東御市のテロワールをもったビールができたら面白いと思っています。
ienomistiyle オラホビールのブルワリーを訪問! ホップ畑を見学しました
簡単にいうと東御市でしか作れないビールを作りたいのだそうです。
因みに「テロワール」とはワイン用ブドウ栽培において使われる言葉で「ブドウ畑をを取り巻く環境要因」のことをいいます。(※2)
(※2)KIRIN テロワールとは?
オラホビールでは2010年からホップの自家栽培をはじめ、今では4種類のホップを栽培しています。
- ゴールデンスター:ドイツスタイルのビールに使われる。穏やかでフローラルな香りが特徴。
- チヌーク:アメリカ産のホップで柑橘系の香りが特徴。IPAと呼ばれる苦味が強いビールに他のホップを混ぜて使われる。
- ガレーナ:洋梨やパイナップルのような甘い果実を思わせるような香りが特徴。
- カスケード:柑橘系の香りが特徴。柑橘系のアロマホップの代表的な存在。昔からIPAペールエールに使われてきた。
ホップには①香り付けの役割と②苦味付けの役割があります。ホップの中でも香り成分が強いものを「アロマホップ」、苦味成分が強いものを「ビタリングホップ」と呼びます。
アロマホップを苦味付に、ビタリングホップを香り付けに使うこともできますが使用量が多くなるため、各々の得意分野で使用した方が効率がいいそうです。
オラホビールでは年に一度ホップの収穫体験を実施し、一般の人がホップにふれる機会を作っています。しかも、収穫したホップは実際のビール作りに使われるので、参加者は自ら収穫したホップを使ったビールを、自ら飲むことができるのです。
オラホビールは東御市独自のクラフトビールを作るため、そしてビール愛好家がさらにビールに親しみを持てる活動をするためにわざわざホップを自家栽培しているのです。
因みにこれが乾燥させたホップです↓
フタをあけると、マスクをしていてもわかるほどのビールの香りが漂ってきました。
ホップについてさらに詳しく知りたい人はこちらの動画もごらんください↓
ビールを飲む前に温泉にさっぱりしよう!
ホップについて詳しくなったあなたは、さっそくOH!LA!HO!ビールが飲みたくなったのではないでしょうか?
しかし、はやる気持ちをおさえてまずは温泉に入ってさっぱりしましょう。
ビール醸造所の敷地内には「湯楽里館」という名の日帰り温泉施設があります。実はビール醸造所や湯楽里館は山の中腹にあるので、東御市や上田市の市街地を一望できます。
まずは温泉につかりながらこの景色をみて、日々の疲れを癒やしましょう。
温泉はもちろんいつものように「物味湯産手形」を使って顔パスで入ります↓
浴室内の様子はいつものようにHPにお任せするとしましょう↓
泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉であり、ph8.26のアルカリ性の温泉。大町市や上田市の温泉のようにさっぱりしていて、いつまでも入っていられる温泉です。
神経痛、筋肉痛、関節痛などに効果があるそうです。
内湯には3m程度の高さから滝のように源泉が注がれる大きな浴槽と、温度を35℃程度にした低温浴槽があります。大きな浴槽の温泉もそれほど熱いわけではありませんが、より長く入っていたい人には低温浴槽がオススメです。
外湯につながる扉を開けると、そこには先ほどの景色が広がっています。山の中腹なので時おり山からの涼しい風が吹き下ろし、火照った体をほどよく冷ましてくれます。温泉につかっているとトンボが飛んできて、秋がすぐそこまでやってきてることを感じさせてくれたのでした。
お待ちかね!OH!LA!HO!ビールを贅沢に飲み比べよう!
湯楽里館の2階にある「TOMI WINE&BEER MUSEUM」ではOH!LA!HO!ビールとワインが飲めます。
「私はワイン派なのよ!」という人はごめんなさい!今回のビールのレポートしかありませんが、今度行ったときにはワインも飲んでみようと思います。
注文したのはOH!LA!HO!ビールの飲み比べセットです。4種のOH!LA!HO!ビールが1,200円で飲み比べできる贅沢なセット。飲まないわけにはいきません!↓
それでは1種類ずつ、順番に味を楽しみましょう。(感想は伊奈香澄の100%主観です)
一番爽やかだったゴールデンエール
ゴールデンエールは今回飲んだ4種の中では最も爽やかな味がしました。引っかかるなくゴクゴク飲めるライトなビールです。
他の銘柄が個性的なのでやや目立ちにくい反面、ビールが苦手な人や普段ビールを飲めない人でも楽しめるビールです。
香りと味が立体的なイヤーオブタイガー
イヤーオブタイガーは香りと味の立体空間に入り込んだ気分が味わえる、不思議なビールです。
はじめに柑橘系の香りがさり気なくやってきたかと思うと、その後からわずかな甘みがやってきます。ビールなのでもちろん苦味もありますが、甘みが比較的強い印象でした。やってくる順番がズレているからなのか、香りと味を立体的に感じることができます。
他の3種は缶で販売されていますが、このビールは「TOMI WINE&BEER MUSEUM」でしか飲めない貴重なビールだそうです。
IPAなのに飲みやすい雷電カンヌキIPA
IPAとはIndian Pale Aleの略称です。かつてイギリス人が船で植民地であるインドに渡る船の中でも、美味しく飲めるように開発されたビールです。
船旅は長いので、ビールは途中で鮮度が落ちてしまっていたそうです。そこで鮮度を保つために使うホップの量を多くしたのがIPAなのです。
前述の通りホップには苦味付けの役割もあるので、IPAは強いに苦味が特徴です。
しかし、雷電カンヌキIPAはIPAの中ではライトの部類であり、ゴクゴク飲めるIPAです。強くはないがしっかり主張する苦みを、その下にいるコクが支えています。香りはそこまで強くなく、味を邪魔することのない品のある香りとなっています。
因みに「雷電」とは江戸時代に活躍した東御市出身の力士であり、21年の力士人生の中で勝率はなんと9割6分2厘。強すぎたので四つの禁じ手(使用を禁止された技)があり、そのうちの一つである閂(かんぬき)がこのビールの名前の由来です。
ホップの使用量2倍のキャプテンクロウ
使用するホップの量はなんと他のビールの2倍!たしかな苦味と爽やかなコクがかたまりとなって一気にやってきます。
味は縦ではなく横に広がる印象。キンキンに冷やして飲むのもおいしいですが、少し時間がたったころにややぬるくなった状態で飲んでも楽しめる味です。
そのころ、香澄妻と香澄娘は……。
「TOMI WINE&BEER MUSEUM」ではビールやワインだけでなく、ソフトドリンクも飲むことができます。しかも、なんと車の運転手にはソフトドリンク一杯無料というサービスが。香澄妻はサービスのオレンジジュースを、香澄娘はアップルジュースを飲んでいました。
伊奈香澄が昼間から贅沢にOH!LA!HO!ビールの飲み比べができたのは、香澄妻のおかげです。普段もそうですが、このときはとくに感謝する気持ちになりました。
最後に。
この記事では東御市にあるクラフトビールのブルワリー「オラホビール」と、日帰り温泉施設「湯楽里館」をご紹介しました。
秋は食欲の季節でもあり、行楽の季節でもあります。たまには信州まで足を伸ばして、眺めのいい温泉に入ってOH!LA!HO!ビールを楽しむのもいいのではないでしょうか?
信州にくるまではこちらのOH!LA!HO!ビールを楽しんで下さい↓
ではまたのちほど。