どうも、人が書いた文章の構造やニュアンスを真似しようとしても、どうしてもうまく真似できない伊奈香澄です。
良く言えばオリジナリティが出てしまうのですが、悪く言えば素直じゃないだけです。
あなたの家にお金はありますか?
この質問をすると自然の中で完全自給自足の生活する人以外は「はい。」と答えると思います。
あなたの家は家計管理ができていますか?
しかし、この質問をすると「はい。」と答えられる人はある程度減るのではないでしょうか?
一言で「家計を管理する」と言っても、人によってその捉え方は様々だと思います。伊奈香澄が思う「家計管理」は次の三つです。
- 毎月の収支が分かる。
- 総資産(預金だけではない)が分かる。
- 使途不明金がない。
伊奈家では香澄妻と二人で協力して、この三つが分かるようにしています。しかし、家計は管理することそのものが大切なのではなく、改善・維持することが大切です。
どうしたら家計を改善できるのか?
そう思っていた時にこの本に出会いました。
タイトルは『となりの家(うち)のざんねんなお金の話』です。
物事には大きく分けて二つのアプローチがあります。
- 成功を模範として取り入れる方法。
- 失敗を反面教師として回避する方法。
この本には後者の価値があります。
前者のような本は学びが多い反面、実行に移さないと効果がありません。しかし、後者の本であれば「失敗につながる行動」をしなければ良いだけです。
お金の本は得てして前者が多いのですが、たまには後者を参考にして少し休みながら、家計管理の道を歩くのも悪くないと思います。
あらすじ〜ざくざく出てくるお金の失敗談〜
いつものように、まずはあらすじを紹介します。
人間が生きていく上でお金との縁は切れないです。そのため、お金の失敗は本当にたくさんあります。わずか200ページほどの本にこれだけたくさん、そしてこれだけ詳細に書かれているとは思いませんでした。
あらすじは次の通りです。
- 1章 ざんねんなお金の習慣
- 2章 ざんねんな資金計画
- 3章 ざんねんな投資生活
- 4章 お金を増やす13のステップ
章構成だけを見るとまだ当たり障りありませんが、章の中の見出しを見るとドキッとする内容があると思います。
ドキッとするような見出しを少し紹介します。
- 年末のボーナス!年が明けたら全部なし?
- 「子どもには苦労させたくない」といって教育費破綻
- 「億り人」に憧れ、仮想通貨で貯蓄ゼロ
- 「危なくて損する」といって、いつまでも投資できない人
- 部下におごって貯められない”男気上司”の勘違い
この中に心当たりがある項目があれば要注意です。
特に一つ目は多いのではないでしょうか?「年が明けたら」は少し大袈裟かもしれませんが、ボーナスのようにある程度大きなお金の全て、あるいは一部が使途不明金となるケースは珍しくありません。
あなたもこの本の題材にならないように、少しずつ家計管理をはじめてみませんか?
伊奈香澄のお金の失敗談
この本に書かれている『ざんねんな』ことをしていた人間が、ここいます。
あれはまだ社会人二年目のこと。同じ部署に後輩二人が入ってきたことが嬉しくて、仕事が終わったあとによく居酒屋へ連れて行っていました。
多い時は週に3回ほど行っていました。しかも、『後輩とご飯を食べる時は先輩が奢るもの』という、学生時代に刷り込まれた謎の家訓により伊奈香澄が三人分のお金を払っていました。
いくら独身とはいえ、社会人二年目の給料がこんな生活に耐えられる訳がありません。
はじめは現金で払っていましたが、現金が足りなくなるとクレジットカード(一括払い)を使いはじめます。しかし、そんなことを繰り返していてはクレジットカードの引き落とし時に現金が足りなくなります。
そこで少しだけでも後輩から払ってもらうようにしましたが、引き落としに足りない現金を集めるために、また居酒屋に行きます。しかし、大部分は伊奈香澄が払うため、引き落とし残高はいつまでも増えていきます。
まさに借金で借金を返しているような状態でした。
まだ若かった伊奈香澄が「リボ払い」を理解していないことが不幸中の幸いでした。
お金のことがある程度分かってきた今では、リボ払いは絶対にしませんが、もし当時の伊奈香澄が「月々の返済額が少なくて済む」と中途半端な知識だけを持ってリボ払いをしていたら、文字通り借金地獄に陥っていたことでしょう。
その後家族にお金を借りてこの負のスパイラルからは抜け出せましたが、本当に痛い体験でした。
今でもクレジットカードを使いますが、クレジットカードを使う費目や予算を決め、日々明細を見ながら管理しています。
これが出来ない人は伊奈香澄のように痛い体験をするかもしれません。まずは分かりやすく現金を管理するところから、始めてみましょう。
この本からの一番の収穫〜自分が理解できないものにはお金を払わない〜
この本からの一番の収穫は「自分が理解できないものにはお金を払わない」ということです。
その理由は表面的なメリットだけで分かったような気になっていると、思わぬリスクを見落とすからです。
「そんなバカな人はいないでしょう!」と思うかもしれません。しかし、世の中には物事を理解しないでお金を払う人は意外といます。
「保険屋に勧められて、なんだかよく分からないけど、将来が不安だからドル建ての貯蓄型保険に入った。」
「株は儲かるって聞くから、なんだかよく分からないけど、雑誌で紹介されていた銘柄の株を買った。」
あなたの周りを見渡すと当てはまる人が一人くらいはいませんか?
まず貯蓄型保険は一般的に手数料が高いと言われています。しかも、その手数料は明示されていません。
あまり知られていないかもしれませんが、あなたが購入した保険商品の代金は保険会社が運用し、その運用益で保険料の支払いを行い、会社に利益を残しています。
貯蓄型保険は運用でいくら儲かって、その中から保険会社が手数料としていくら取ったか?ということが非常に分かりづらい保険商品です。しかも、ドル建てともなれば、為替のリスクも絡んでくるのでより複雑になります。
利回りだけで考えると株式投資をした方が良いケースは多いと思います。
「貯蓄型保険は危ない!株式投資をするぞ!」と鼻息を荒くした人はいませんか?株式投資にももちろんリスクがあります。
近年はつみたてNISAを利用して投資信託をする人が増えてきました。投資信託は個別株(トヨタ自動車やソフトバンクなどの個別の株)に比べるとリスクは低いですが、投資商品である以上リスクはゼロではありません。
最近はロシアとウクライナの戦争、アメリカのインフレと大幅な利上げ、それに円安が問題となっています。含み益を大きく減らすだけでならともかく、評価額がマイナスになっている人も多いのが現実です。
しかし、投資信託など10年以上の長期投資を目的とした投資では、目先の損益は関係ありません。長い目で見れば世界経済は発展していきます。少なくともこれまでの歴史はそうでした。
10年、20年、30年と積み立てていけば資産は増え続けていくはずです。
これを聞いて
「そうなんだ?じゃあ、いくら暴落しても気にしなくて良いんだ!」
とすぐに思った人は注意して下さい。これはあくまで伊奈香澄の持論です。色々な情報を集めたり、人から話を聞くことも大切ですが、最後に判断するのはあなたの仕事です。30年も資金が拘束されてもあなたの生活が成り立つかは、あなたにしか分かりません。
このように物事を理解しないでお金を払うと思わぬリスクを見落とすことがあります。
保険や株式投資はそれだけで本が何冊もあるくらい、複雑で奥が深い金融商品です。ですので、全てを理解するのは難しいかもしれません。しかし、表面的なメリットだけを理解して、分かった気になってお金を払うのはとても危険です。ましてや投資初心者がFXや暗号資産に手を出すのは以ての外です。
あなたが稼いだ大切なお金を守れるのは、あなただけです。
最後に。
失敗は人の数だけあります。いや、人が失敗するのは一度だけではないので、人の数の何倍もの失敗があります。
現代は情報にあふれた非常に便利な時代です。その情報の中には人の失敗談も多く含まれています。
せっかくSNSを見るなら、せっかくテレビを見るなら、せっかく本を読むなら、たまにはそういった情報に触れてみても良いのかもしれません。
ではまたのちほど。