雪国でSUVに乗りたくない人が選ぶ車?スバル インプレッサの使い勝手を紹介

信州に住んでみて

自動車。

これほど人によって捉え方が大きく変わるものは、他に時計くらいではないでしょうか?

ただの移動手段と考える人もいれば、自分の手足のように操りたい人もいるでしょう。

伊奈香澄は後者です。

しかし、信州は雪国。住んでいる地域にもよりますが、4WDでないと乗れないなど条件が絞られる場合があります。

4WDの代表的な車種といえばSUVですが、中にはあまりSUVが好みでない人もいるでしょう。

そのような方にオススメなのがスバル インプレッサです。

インプレッサはSUVに比べると低い車高、狭い横幅となっており、取り回しも楽。運転が苦手な人でも、比較的扱いやすい車です。

今回、車検の間だけ借りた5代目インプレッサ(販売時期:2016年〜2023年)。

一般道(市街地)、一般道(峠)、高速道路に乗って使い勝手を確かめました。インプレッサの中古車を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、先日試乗した新型の6代目インプレッサ(販売時期:2023年〜)や、普段載っている3代目インプレッサ(販売時期:2007年〜2011年)との比較もお楽しみ下さい。

なお、この記事では一部フリー画像を使用しています。また、記述している内容はあくまでも法定速度内の話です。

5代目インプレッサの感想

借りた車は1.6L ・CVT (マニュアルモード付き)・4WDのインプレッサ。この車に乗った感想を述べていきます。

一般道(市街地)では落ち着いた走り

一般道(市街地)の走りにまったく不満はありませんでした。

1.6Lにしては軽やかな発進。少しアクセルを踏めば無理なく他の車(おそらくほぼAT車・CVT車)に付いていけます。

さすがにアクセルペダルに足を置く感覚ではありませんが、明らかに踏み込む感覚でもありません。

走り出した後の印象も良好。4輪が車体を支えている感覚があり、段差があっても車体が大きく揺れることもありませんでした。

また、多少揺れてもすぐに収束します。

段差を乗り越える音も、どこか遠くで聞こえる印象があり、車内の静粛性(遮音性)の高さに驚きます。

一般道(峠)ではアクセル開度に従ってキビキビ

峠を走るとCVTの本領発揮です。的確な変速により、アクセル開度に従った思った通りに登ってくれます。

しかし、時々「もう少し変速タイミングを早くしてくれたらなぁ」と思うことも。

そのような時はマニュアルモードを使って、自分のタイミングで変速しましょう。パドルシフトはハンドルの回転に追従するタイプですので、ハンドルを回転させた状態でも変速できます。

下りでも積極的にマニュアルモードを使えば、ブレーキを踏む回数を減らせます。

スピードが速いと思ったらギアを下げ、落ち過ぎたと思ったらギアを戻しましょう。ただ、緊急時のためにブレーキペダルをすぐに踏める体勢にしておきましょう。

ロール(左右の車体の揺れ)はそれほど大きくありません。峠のつづら折れでも4輪が踏ん張ってくれるため、体が左右に大きく振られることもありませんでした。

高速道路は……少し残念

一般道の走りのクオリティの高さに感動したまま、高速道路へ。落ち着いた印象で安定した走りをするのかと思いきや……。

走った場所の路面状況の都合もあるかもしれませんが、意外に足はバタつきそれに合わせて車体も小さく揺れる。

一般道で感じたほどの感動はありませんでした(サスペンションのセッティングを一般道に合わせているのかもしれません)。

それでも不快な揺れではないため、気にしなければ済むレベル。ただ、一般道のクオリティの高さに比べると気になってしまいます。

ICの合流時の加速や、追い越し車線走行時の加速に不満はなし。アクセル開度に応じてキビキビ走る様は、高速道路でも健在でした。

内装・座席周りはさすが……ただ2点だけ気になることが

実用的な内装、広い室内。Cセグメントのハッチバックとしてはとても優秀な作りだと思います。

ただ、気になる点が2点。

ハンドルの重さ

昨今の自動車すべてに言えることかもしれませんが、ハンドルが重いんです……。

電動パワステのため、回すために力がいるわけではありません。しかし、ハンドルにはオートクルーズやオーディオ操作のためのボタンが付いていますよね?

これらが付いているため、「明らかに重いものを回している」という感覚がありました。

普段乗っている車のハンドルはスイッチ類のないシンプルなハンドルのため、余計にそう感じたのかもしれません。

フロントドアの長さ

これもおそらくこのインプレッサだけの特徴ではないと思いますが……フロントドアが長いんです……。

昨今の車は室内空間(ハンドルより前の空間)を広く見せたり車体をスタイリッシュに見せたりするため、Aピラー(フロントガラスを支える両側の柱)の付け根が、昔の車に比べて前方にあります。

Aピラーの付け根の位置が前に出ると、サイドウインドウが長くなり、フロントドアも長くなるのです。

狭い駐車場などでドアを開けるときは要注意です。

6代目インプレッサ(新型)との比較

つい最近、新型インプレッサを試乗する機会がありましたので、その感想も少し書きます。

試乗した車は2Lハイブリッド(e-BOXER)・CVT(マニュアルモード付き)・4WDです。

一般道(市街地&山へ向かうループ橋)での上質な走り

試乗で走った道は市街地と、山へ向かうループ橋。

平坦路での走りは、5代目にさらに磨きがかかった印象です。

5代目では段差を乗り越える音が遠くで鳴っている印象でしたが、新型インプレッサは音そのものが小さい印象

同じ道ではありませんが、車体の揺れも小さいように感じました。

発進や加速などもアクセル開度に応じて思いの通りにできるため、不安や不満はありません。

また、5代目に比べて車体全体が一つの塊のような感覚があり、新型の方が車体が小さくなったような印象を受けました。
(実際には車体は小さくなっていません)

【参考】

全長(mm)全幅(mm)全高(mm)
新型4,4751,7801,515
5代目4,4601,7751,480
新型インプレッサと5代目のサイズ比較

3代目インプレッサとの比較

普段乗っている3代目のインプレッサとも比較してみましょう。普段乗っているのは1.5L・5MT・4WDです。

一般道(市街地)では特に不満なし

3代目のインプレッサでも市街地の走行において不満はありません。

強いて言うなら、1速と2速のつなぎをうまくしないと発進でもたつきます。

ATの軽自動車に置いていかれることもありますので、シフト操作(シフトタイミング)の慣れが必要です。一度走り出してしまえば、車体が比較的軽いこともあり不満はありません。

ただ、新型(6代目)や5代目と比べると明らかに小さく、明らかに軽いことが感覚としてわかります。
(実際に小さくて軽いです)

【参考】

全長(mm)全幅(mm)全高(mm)重量(kg)
新型4,4751,7801,5151,570
5代目4,4601,7751,4801,360
3代目4,4151,7401,4751,290
新型インプレッサと5代目、3代目のサイズ及び重量の比較

一般道(峠)ではギアの選択と変速タイミングが肝

小さくて軽いため、峠もよく走るのでは?と思うかもしれませんが、案外そうでもありません……。

1.5Lのエンジンは意外にパワーがないため、シフト操作でのカバーが必要です。

2速と3速に交互に入れるような変速となり、タイミングを間違えたり変速をサボったりすると、軽自動車にも置いていかれます。

下りは3速に入れておけば、あとはブレーキ操作を少しするだけで安全に下れます(勾配によります)。

エンジンブレーキを併用して、安全に坂を下りましょう。

高速道路の安定性は抜群

発進時や上りでの力のなさが嘘のように感じるのが、高速道路での走りです。

加速は……まぁそれなりで相変わらずシフト操作でカバーする必要があります。

しかし、一度巡航してしまえば1.5Lの車とは思えないような安定性を誇ります。

車体が軽いため段差では多少バタつきますが、ふわっとしたおおらかな揺れのためそれほど気になりません。

4輪が地面を捉える感覚、わずかなハンドル操作で車線変更できる感覚。まさに手足のような感覚で操れるのです。

ただ、高速道路では5速に入れっぱなしという訳にはいきません。

追い越し車線に移るために加速するときなどは一度4速に入れたほうがスムーズに加速できます。

おわりに

今回は車検時に借りた5代目インプレッサ、少しだけ試乗できた新型(6代目)インプレッサ、普段乗っている3代目インプレッサを比較しました。

代が新しくなるほど、走りの質感は良くなっていました。また、この記事では触れませんでしたが便利な機能もどんどん追加されています。

しかし、古い車にあって新しい車にないもの。それは小ささと軽さです。

車体が小さくて軽いほど、車との一体感をより感じました。手足のように車を操りたい人は、3代目のインプレッサを検討してもいいかもしれません。

ではまたのちほど。

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