今回は『信州人、本を読む。』の第3段をお届けします。
おいおい!
前回の投稿でせっかく信州に帰ってきたのに、また違うネタやないかい!?
という読者Aさんのツッコミがどこからか聞こえてきました。
しかし、安心して下さい!
『信州人、本を読む。』は実は信州に関係のある話なのです。
第1段に登場した『ヤッホーブルーイング』、第2段に登場した『星野リゾート』は信州の会社です。
そして今回登場する『伊那食品工業』も信州の会社です。
あなたは『かんてんぱぱ』というブランド名を聞いたことはないでしょうか。
『かんてんぱぱ』とは『伊那食品工業』が展開する寒天食品のブランド名です。
今回の投稿では『伊那食品工業』の塚越社長(現在は最高顧問)から学ぶ経営に触れながら、その感想をお届けしたいと思います。
ところで、読者Aさんって誰なんでしょうか。
それはまたいつか別の投稿で忘れなければ触れたいと思います。
あくまで忘れなければ…ですが(笑)
年輪経営。
民間企業の最大の目的は利益を追求することである。
こう信じて疑わない人は多いのではないでしょうか。
伊那香澄ももちろんその1人です。
しかし、たとえ成長であっても急激な変化はその後に何らかの形で歪みを生むかもしれません。
この本の中で『年輪経営』という言葉が度々登場します。
樹木が毎年年輪を重ねるように、企業も毎年少しずつ、しかし確実に成長するという意味です。
毎年成長し続けるので、後退することはありません。
また、急激な成長ではないのでその歪みが生まれることもありません。
これは私たちが人間として成長する過程によく似ていると思います。
私たちは仕事を含めた日々の生活の中で、少しずつ成長していると思います。
急成長しようとしてもなかなかそうはならず、また急成長できたように見えてもその過程で何かを置き去りにすることもあるかもしれません。
例えばそれまで全く勉強が出来なかった高校生が何かのきっかけで一念発起して勉強に目覚め、短期間で成績を伸ばして希望する大学に合格したとします。
それは確かに成長であり、本人にとっても周りにとっても喜ばしいことでしょう。
しかし、それを実現できたのは本人の努力は当然もちろんですが、周りのサポートがあってのことだと思います。
あまりにも成長が急だと周りをゆっくり見渡すことができず、周りのサポートに気付かないかもしれません。
また、勉強が出来なかった頃の気持ちも忘れてしまい、勉強が出来ない人の気持ちも分からなくなるかもしれません。
そしてその後も同じ度合いで成長を続けるには猛勉強し続けるしかなくなり、成長を持続することが困難になります。
これはあくまで伊那香澄が思う個人的な例ですが、成長する自分自身が成長スピードについていけないということは、どこかでその歪みが生まれると思います。
年功序列。
年功序列という言葉を聞いてあなたはどんなことを想像するでしょうか。
成果を上げても若いうちは給料に反映されにくい。
成果を上げていないのに年輩というだけで給料を多くもらえる人がいる。
現在ではこういったことをイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし『伊那食品工業』では年功序列を大切にしているそうです。
それはなぜか!?
①成果はそれを上げた個人だけのものではなく、サポートした周りの人や過去に成果(実績)を出した人のものでもあるから。
②年輩の人は年輩でないと得られることができない経験を積んでいるから。
こういった理由で年功序列を大切にしているそうです。
この考え方は年功序列が非常に有効に機能した場合に意味のある考え方だと思います。
これを成立させるには
①仕事の成果は現在と過去に関わった人全てのチームによって上がることをよく理解し、
②年輩の人の経験を自ら吸収して有効に活用する術を身に付ける必要があります。
③また、自らが年輩になった時には周りをサポートできる経験を積んでいなくてはなりません。
あくまで考え方の話ですが、年功序列は個人成果主義に比べて現時点における広い視野とネットワーク、そして現在から未来に向けた自分自身の成長の上に成り立っているとも言えます。
こう思うと年功序列の方が関わる人の幅が広く末永い発展に向いているように思えます。
しかし、その前提には先ほど述べた条件が必要になります。
この前提が成り立たなければ、冒頭で述べたような悪い印象ばかりが先行するようになってしまいます。
成果が出るまで続ける。
この本には『優秀かどうかは成果が出るまで続けられるかどうか』という言葉が登場します。
あなたにもこんな経験がないでしょうか?
毎日30分でも勉強していれば、今頃あの資格が取れたのに…。
毎月5,000円でも貯金していれば、今頃欲しかった物が買えたのに…。
継続することがいかに大切か分かるタイミングは2回しかないと思っています。
①継続による成果が実感出来たとき。
②継続しなかったことによる損失を実感せざるを得なくなったとき。
上記の例は②になりますが、人生の中では②を経験することの方が多いのではないでしょうか。
これは踏まえて冒頭の言葉を思い出すと、
成果を出すことが難しいのではなく、成果が出るまで継続することが難しいのではないかと思えてきます。
伊奈香澄も継続が苦手な人です。
それでもこのブログをはじめ継続していることがいくつかあります。
是非あなたにも成果を実感できるまで継続していただき、人生を豊かにする1歩にしてほしいと思います。
いかがでしたでしょうか。
今回は『伊那食品工業』のお話とその感想を紹介しました。
このシリーズではこれからも信州に関する本を中心に、そこから学べることを紹介していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
そんなあなたが物事を継続できるようになるかもしれない(!?)この本と、『伊那食品工業』の寒天ぞうすいを紹介させて下さい。
因みに寒天ぞうすいは伊奈香澄も食べましたが、不思議な味でした。
ではまたのちほど。